レクチャーリサイタル 「英国の風景と民謡」

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小町碧(ヴァイオリン)、加納裕生野 (ピアノ)
小町碧(ヴァイオリン)、加納裕生野 (ピアノ)

2014年11月14日

ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリンとピアノのための「揚げひばり」 ・ イギリス民謡による6つの練習曲

ホルスト: 5 Pieces より 「Maya」,「A Spring Song」

ブリテン: ヴァイオリンとピアノのための組曲 Op.6より「子守唄」 ・ 英国民謡編曲集より「O Waly Waly」 ・ ヴァイオリンとピアノのための「リヴァリー」

主催:一般社団法人日英協会

協賛:ブリティッシュ・カウンシル、ヴォーン・ウィリアムズ基金、エインズレイ・ジャパン、Cha Tea紅茶教室


横浜イギリス館にてレクチャーリサイタルをさせて頂きました。イギリス館は元々、1937年に英国総領事公邸として建てられ、現在はコンサートや様々なイベントの会場として一般に公開されています。この素敵な会場で、「英国の風景と民謡」をテーマとしたプログラムの演奏と解説をさせて頂きました。又、日本で活躍中のピアニスト・加納裕生野さんと共演させて頂き、とても楽しかったです。


この日は幸いお天気が良く、お庭の紅葉は秋の暖かい色で輝いていました。まさに「英国の風景と民謡」のテーマにぴったりな空間でした。私達のリサイタルの前に、お客様達にはエインズレイ・ジャパンとCha Tea紅茶教室によるアフタヌーン・ティーもお楽しみ頂きました。

今回のプログラムでは、20世紀初期に作曲された作品を取り上げました。

この時代、多くの英国作曲家は風景や民謡からインスピレーションを受け、独自の音を見出しました。それぞれの愛国心が高まる中、「英国の音楽」の独自性も明確になったのです。


英国作曲家の音楽を聴いて私が「イギリスらしさ」を感じる時は、まず最初に田園風景の印象が浮かびます。

実際、多くの作曲家はイギリスの田舎や自然の中で作曲することを選び、その美しさを感じとって音楽で表現しました。

 

 

自然との繋がりから生まれる感情は、英国作曲家だけでなく、ベートーベンから現代の作曲家達も表現してきた、最も普遍的なテーマの一つです。そのため、イギリスの地方に訪れたことがない人や、英国作曲家の作品を聴いたことがない人でも、きっとこの時代の英国音楽に共感できるところがあると思います。是非想像を膨らませながら聴いて頂けたら良いなと思います。

 

それでは、作曲家達はどの様に「英国の音楽」という独自性を作曲法で発展させたのでしょうか?

1904年より、英国作曲家・ヴォーン・ウィリアムズはイギリスの地方を訪れ、忘れかけられていた民謡音楽を楽譜に書き留めました。彼は民謡音楽のシンプルで美しいメロディーに惹かれ、作曲法に取り入れました。

ヴォーン・ウィリアムズ自身が名付けた「民謡活動」という運動は、同時代の作曲家達、グスターヴ・ホルストや後にベンジャミン・ブリテンにも影響を与えました。英国音楽の発展に於いて重要な役目を果たしました。

ヴォーン・ウィリアムズと同時代の作曲家達は、新しいアイディアを生み出そうとしたのではなく、すでにイギリスの地に根深く存在していた音楽を復興し、それを作曲法に取り入れました。特に民謡音楽のメロディーのシンプルさ、又、民謡音楽特有の音階を引用することにより、数々の美しいメロディーが作曲されていきました。その例として、日本で有名なホルストの「ジュピター」や、今回演奏した作品も心に響くメロディーがたくさんあります。

 

ヴォーン・ウィリアムズ、ホルスト、ブリテンは、それぞれ少し違った視点からメロディーと風景描写を組み合わせ、表現しました。


例えば、ヴォーン・ウィリアムズが1914年に書いた「揚げひばり」では理想的な自然の世界が描かれていますが、メロディーにはとても悲しい響きがあります。ヴォーン・ウィリアムズはイギリスのマーゲートの海岸からひばりを眺め、第一次世界大戦の勃発により自然破壊の危機を感じ、この作品を作曲しました。ヴォーン・ウィリアムズは、忘れかけられていく自然の美しさを音楽に書き留めていきました。

 

一方、ベンジャミン・ブリテンは、生まれ故郷であるサフォーク州の海の風景を生涯描き続けました。彼の作品は海の嵐をテーマにしたものが多く、現実的な苦しみから、自然の壮大な変化、胸が締め付けられるような感情まで幅広く表現しています。

 

もちろん、今回取り上げた3人の英国作曲家以外でも、このテーマで素晴らしい作品を書いた作曲家達がたくさんいます。今後、取り上げていきたいと思います!

 

今公演を主催頂いた日英協会、協賛頂いたブリティッシュ・カウンシル、ヴォーン・ウィリアムズ基金、エインズレイ・ジャパン、Cha Tea紅茶教室、そして応援してくださった皆様、ありがとうございました。

Studio 18 (Japan)

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